まほろば少年譚

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いついつ出やる 籠の外 
抜き足差し足じゃ おいてけぼりだ 
倦まず弛まず歩けども 
おぼつかない足取り

 

ないものばかりほしがって 
探し疲れて続きはいつかとか 
でも 手をこまね 
つっ立っているよりはまだいいな

 

あめ あめ 降れやもっと 
蛇の目の傘さしたいの

 

絢爛な模様のぼんぼりたちも 
ただそれだけじゃ物足りないな 
灯してよこころごと

 

まどかな月がのぼる今宵は 
あまねく世に響くように謳え

 

巡るぐるり かりそめのいま 
生き死になんて忘れちゃって

 

夢の道すがら 覚めないままで 
その手を取って 闇夜だって駆ける

 

ちとせ流れても憶えていて少年の日の夢

 

これも誰かの掌の上 
死にそうなくらい退屈な夜に 
足音は言葉よりも雄弁に 
躍る感情を響かせていた

 

今この瞬間でさえも 
一秒後にはもう過去になるけど 
逆らえない時の中で昨日の明日を生きる

 

花曇りの空だった 
日に咲く暈が見たいの

 

息を止めても心臓は打つ 
立ち止まっても地球は回る 
時間は待ってくれない

 

まどかな月がのぼる今宵は 
うたかたの物語を紡げ

 

満ちて欠ける 心模様に 
字余りな思いを乗せて

 

命はまたたき 歌はとこしえ 
未来世まで走り出せ少年よ

 

終わりのない永久にはない 
夜明けを見ていたい

 

あー 何回 何千 何万回と生きてみても 
わかんないなこの難問 解答なんて出ないや

 

なあ「もしも」だとか空論は昨日に捨てて明日を始めようか